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8.素焼き  [Bisque Firing]

素焼きをすることで、釉薬が乗りやすくなる
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1日自然冷却し、時間を置きながら少しづつ扉を開けていく。
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バリが無いか確認し、口と底部にサンドペーパーを掛け、しっかりハタく。
ハケやサンドペーパーで軽くバリを取る。
8-1,バリ取り  
8-2,  素焼き窯詰め
​・ある程度作品が溜まったら、素焼きをします。量が少なすぎると窯の温度変化が不安定で、破損のリスクがあり、経済的にも良くありません。
・粘土が完全に乾いていないと、焼成中に粘土に含まれる水分が膨張して爆発します。
・素焼きの窯詰めでは、モノを重ねて詰めることができます。窯の一部分に偏らないよう、窯全体に平均的になるように
詰めます。一番壊れやすい状態なので、注意を払います。
​・大きな陶板などは冷め割れを防ぐ為に、棚板に薄いツクなどを乗せた上に陶板を置きます。急激な温度変化は避けます。
8-3,  素焼き
時間(h)
温度(℃)
着火-湿気抜き (約6時間)






















12








19



​21







​45
300
600
​760
​100
工房のドアを開け、窯の部屋の換気扇を回します。スムーズに空気を通し、酸素を十分に確保する為です。
窯のダンパーを開け、オイルタンクのバルブを開き、バーナーに着火します。エアーを開き、炎の状態が同じようになるよう油量を調節します。少しの隙間を空けてドアを閉めます。30分後、炎の様子を再度確認します。
​  *ダンパー --- 排気の通り道にある板を開閉することにより、物理的に気体の流れを通したり妨げたりします。


​3~4時間後、扉をさらに少しの隙間を残して閉めます。

さらに2時間後、扉を完全に閉めて、色味穴に手をかざし、湿気を感じなくなったら、色味穴も閉じます。扉の上下2か所に温度計付けます。6時間ほどかけて300℃位になるように火力を調節します。
窯焚き (約13時間) 
しっかり乾かしたモノでも若干の水分を含んでいます。240℃くらいで水蒸気爆発が起こりやすいので、ゆっくり焚きます。大きい作品が入っているときは特に気を付けます。

570℃あたりでは粘土に含まれる珪酸分が膨張するので、600℃まではゆっくり時間をかけて焚きます。

​上下の温度計を確認して600℃あたりであれば、火力をあげます。上の温度計のブザーを760℃に設定します。時々温度と炎の状態を確認して見守ります。

窯の中は上下で温度差があります。全体的に760℃あたりで、色味穴から窯の中の様子を確認します。モノや窯の色が透き通るような赤色であることを確認して、火を止め、ダンパーを閉めます。
冷却 (約24時間)
冷却中にもひび割れの恐れがあるのでゆっくり自然冷却します。
​100℃以下になれば窯の扉を少し開けます。
8-4,  窯出し
​時間をかけて窯の扉を少しづつ開けます。

素焼き後の土の状態は、水を加えても粘土へと戻りません。水分を良く吸収するので釉薬が乗りやすくなり、釉掛け作業も楽に安全になります。

素焼き前に比べれば強度は増していますが、壊れやすいので気を付けてモノを取り出していきます。マグなど取っ手だけで持つと取れる事があります。元に戻すことはできません。
8-5,  ハタキかけ
一つ一つ欠陥がないか確認し、バリの取り残しをサンドペーパーなどで落とします。口辺と底部に軽くサンドペーパーを掛け、粉をしっかりはたきます。粉が残っていると釉薬が乗らないことがあります。
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